「許せない」という前にやるべきことがあるのでは?
イスラム国の日本人人質事件は最悪の結末になってしまったらしい。
NHKのニュースはここ数日、そのニュースを見飽きるくらい流している。他のメディアでも取り上げないところはないだろう。Twitterやfacebookなどでも様々な意見が飛び交っている。
ただ、メディアの論調やネットの意見の中に違和感を感じてる人もいるのではないだろうか?何かが抜け落ちてる感があるような気がする。もちろん、それについて指摘しているところもあるんだけどね。
今回の事件は安倍首相が
「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISIL(注:イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」
とエジプトで公式に発言したことが引き金になったということを頭に入れておく必要があると思う。事件が発覚してから釈明まがいな事を言ってるようだが、メディアに流れた発言は簡単に消えるものではない。事件が起こったのがその直後ということを考えると「ISILと闘う」という言葉に刺激されたという取られ方をされても仕方がないだろう。
また、人質にされたのは突然ではなくて、既に捕まっていたという可能性が高いと思う。そういう事態を政府や外務省は把握していたのだろうか?もしそうだとすれば、水面下でどういった交渉をしていたのか?人質に対する交渉で何らかの不手際はなかったのか?
「イスラム国は許せない」「テロリストと戦う」という前に事件に至った経緯や交渉の過程でどのような事をしてきたかなどをしっかりと問いただす必要があるのではないだろうか?
悪いことは悪いと非難するのは当然のことだ。だが、そうなった経緯と原因を究明することなしに先に進むことは新たな悲劇を呼ぶのではないだろうか?
しかし、それらに頬被りしたがるのが、旧時代のイデオロギーを未だに振りかざしている人たちや彼らを調子づかせてるようなことを書いているような提灯メディアなどだ。まあ、アホらしいことだよね。
今回の事件が今後の日本にどう影響するのか?一時の感情に振り回されることなしに注意深く見ていきたいものだ。