雪使いのつぶやき

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本当は偉くない将軍様

 

本当は全然偉くない征夷大将軍の真実 武家政権を支配した“将軍様

本当は全然偉くない征夷大将軍の真実 武家政権を支配した“将軍様"の素顔 (SB新書)

 

 

 

 鎌倉幕府から江戸幕府までの歴代の征夷大将軍について取り上げてる一冊だ。

 

征夷大将軍」といえば武家の棟梁、各幕府のトップという印象がある。

しかし、本当にトップとして振る舞っていたのは初代を除くとほんの数人に過ぎない。

鎌倉幕府の場合は源氏将軍が絶えた後の将軍は単なる飾りでしかなく、執権である北条氏の都合で交代させられている。最後の将軍は幕府が滅亡しても処罰されることもなく放置されたようなものだったようだ。

室町幕府は最初から全国平定どころか有力大名の力に頼った状態だったため、3代目の義満以外は将軍としての威光をあまり見せられなかった。(6代目の義教は力づくで抑えつけてたが、最期は暗殺されてしまう)応仁の乱以降は将軍の力はほとんどなく、戦国の世に突入していった。

江戸幕府は3代目の家光までは将軍としてのリーダーシップを見せていたが、それ以降では5代目の綱吉と8代目の吉宗くらいか。江戸幕府の場合は老中や若年寄などの今で言う大臣クラスの人たちが政治を取り仕切り全国に睨みを利かせていたから、長いこと大きな危機は起きなかったのかもしれない。

 

本を読んで振り返ってみると、「征夷大将軍」は組織の顔として必要ではあったけど、将軍にリーダーシップを求めていなかったのかなと思う。中枢にいる人にとってはお飾りというか象徴的な存在の方が都合が良いのかもしれないね。それは今でも言えることではないかなあ。

 

そう思うと組織の実情は昔も今も大きく変わらないということなのだろうか??